子どもの体力は親が「マネジメント」すべきもの!?
先日、静岡県スポーツ少年団指導者協議会の
技術者研修会に父兄代表として参加させていただきました。
本当は、指導者に向けての講演だったわけですが、
順天堂大学 スポーツ健康科学部 内藤久士教授のお話は、
とてもわかりやすく、
ぼくたち親が知っておいたほうがよさそうなこともたくさん。
講演内容と、いただいた資料から、
団の父兄に伝えたい点をまとめたので、
ここにもアップさせていただきますね!

子どもの体力を「マネジメント」しよう
〜立ち幅跳びをじょうずにするには〜
よく運動をする子としない子で、体力の差が大きくなっている
→ 小学生の体力は、昭和60(1985)年ごろより、著しい低下が見られたが、
平成10(1998)年ごろには下げ止まり、
一部の種目では、やや向上の兆しが見られている。
→ ただし、数値が向上しているものは、
単純な筋力、パワーが結果を左右する種目が多く、
これは、子どもたちの体格がよくなったことが少なからず影響している。
→ 体格がよくなっているにも関わらず、
「走る」「跳ぶ」「投げる」といった
基本的な運動能力は、ほぼ横ばいである。
とくに立ち幅跳びなど、
いくつかの動作が含まれ、その質が求められる種目は、
低い水準で推移している。
→ しかし、普段から運動やスポーツに親しんでいる子どもだけをみれば、
それほど体力は落ちていない。
運動をしない子どもが増え、よく運動をする子どもとの差が、
大きくなっていることが数字に表れている。
体力テストの結果のよい都道府県は、学力テストの結果もいい
→ 子ども時代の運動は、その年代での健康はいうまでもなく、
大人になってからの健康にも寄与する。
→ 運動は、からだはもちろん、
こころの健康・成長にもさまざまな効果をもたらす。
環境や他者から刺激を受けたり、
自分と周囲との関係を調整したりすることなどにより、
好奇心やチャレンジ精神が養われ、社会的なスキルも高まっていく。
→ このような成長が、学習能力を高めるという指摘もある。
実際、体力テストの結果のよい都道府県の多くは、
学力テストでもよい成績をおさめている。
→ 近年の学力調査において、上位の常連である秋田県では、
スポーツ少年団への加入率が約70%と非常に高い。
→ 学力テストの結果は、
「少人数授業」などの取り組みが実を結んだものと考えられ、
スポーツ少年団の加入率を関連づけるのは、やや強引かもしれない。
しかし適度な運動が、規則正しい生活リズムを生み、
学習への集中力を高めているだろうことは、
「早寝・早起き・朝ごはん率」が高いことからもいえそうである。
運動能力は年齢ではなく、経験により高められていく
→ スキャモンの発育発達曲線によると、
からだは、乳幼児期に急速に成長し、その後成長の速度はゆるやかになるが、
思春期以降に発育のスパートがみられ、
18歳あたりで、大人のレベルに到達する。
→ 一方、器用さやリズム感をになう神経系の発達は、
出生直後から急激に発達し、4〜5歳までには成人の80%程度、
小学校の低学年では、90%にも達するとされる。
→ 子どもたちの運動能力の低下は、
運動能力を獲得するために至適な年齢に、
必要とされる運動刺激を得る機会が減ったことが原因だ。
つまり、からだを上手にコントロールするための
トレーニングが不足しているのである。
→ 小学生の4人に3人は、缶けりをやったことがないという調査結果がある。
10人に1人は、缶けりそのものを知らないという。
かつて、友だちとの遊びのなかで、
意識せずとも養われていった運動能力は、
もはや、自然に身につくもの、ではなくなっている。
→ 歯磨きは、子どもがその意味を理解する前に、
習慣として身につけさせる。
運動も同じである。
→ 友だちとの遊びが減った今、
それに変わる「場」や「しかけ」が必要だ。
そう、この時期の運動は、大人がマネジメントするべきなのである。
「話す」ことが、体力向上の第一歩
→ 日本体育協会が定めているガイドラインでは、
最低限必要な身体活動量を「1日60分以上」としている。
→ 小学5年生を対象とした、平成21年度の調査では、
男子の10.5%、女子の22.6%が、1週間の運動時間が60分未満、
つまりほとんど運動していないと答えている。
→ ここで注目すべきは、
運動をほとんどしない子でも、決して運動がきらいなわけではなく、
男子で7割、女子でも半数ほどが、
運動を「もっとしたい」と答えていることだ。
→ 子どもが活動的になるかは、子どもを取り巻く人的環境、
すなわち友だちや保護者、
教師や地域の人々との関係で決まるとされる。
活動的な人たちに囲まれ、地域にそのような雰囲気があれば、
子どもは自然と活動的になっていくのである。
→ ある調査では、
親が子供と一緒にスポーツをやったり、観戦したりしなくても、
スポーツについて、「話す」だけで、
モチベーションアップにつながるという結果がでている。
→ スポーツ少年団への入団は難しい、という家庭でも、
昼間、友だちとどんな遊びをしたかに耳を傾け、
かつて自分がやった遊びについて話すだけでも、
子どもたちの体力向上に、多少なりともいい影響がありそうだ。
→ 立ち幅跳びをじょうずに跳べるようにするために、
まずは、親子で話す時間を増やすことからはじめたい。

最後のまとまりは、
団員の父兄向けには、“ スポ少寄り ” のものになっております。
親の負担の大きさを心配し、
スポーツ少年団への入団に、二の足を踏む父兄が多いわけですが、
ぼく自身は、親子ともども「得るもの」のほうが多いと思っています。
今年1年、父兄の代表として活動します。
バレーが好きな子どもを増やすことももちろんですが、
スポーツの種目を越え、仲間を増やしていけるといいなぁなんてことも思っています。
技術者研修会に父兄代表として参加させていただきました。
本当は、指導者に向けての講演だったわけですが、
順天堂大学 スポーツ健康科学部 内藤久士教授のお話は、
とてもわかりやすく、
ぼくたち親が知っておいたほうがよさそうなこともたくさん。
講演内容と、いただいた資料から、
団の父兄に伝えたい点をまとめたので、
ここにもアップさせていただきますね!

子どもの体力を「マネジメント」しよう
〜立ち幅跳びをじょうずにするには〜
よく運動をする子としない子で、体力の差が大きくなっている
→ 小学生の体力は、昭和60(1985)年ごろより、著しい低下が見られたが、
平成10(1998)年ごろには下げ止まり、
一部の種目では、やや向上の兆しが見られている。
→ ただし、数値が向上しているものは、
単純な筋力、パワーが結果を左右する種目が多く、
これは、子どもたちの体格がよくなったことが少なからず影響している。
→ 体格がよくなっているにも関わらず、
「走る」「跳ぶ」「投げる」といった
基本的な運動能力は、ほぼ横ばいである。
とくに立ち幅跳びなど、
いくつかの動作が含まれ、その質が求められる種目は、
低い水準で推移している。
→ しかし、普段から運動やスポーツに親しんでいる子どもだけをみれば、
それほど体力は落ちていない。
運動をしない子どもが増え、よく運動をする子どもとの差が、
大きくなっていることが数字に表れている。
体力テストの結果のよい都道府県は、学力テストの結果もいい
→ 子ども時代の運動は、その年代での健康はいうまでもなく、
大人になってからの健康にも寄与する。
→ 運動は、からだはもちろん、
こころの健康・成長にもさまざまな効果をもたらす。
環境や他者から刺激を受けたり、
自分と周囲との関係を調整したりすることなどにより、
好奇心やチャレンジ精神が養われ、社会的なスキルも高まっていく。
→ このような成長が、学習能力を高めるという指摘もある。
実際、体力テストの結果のよい都道府県の多くは、
学力テストでもよい成績をおさめている。
→ 近年の学力調査において、上位の常連である秋田県では、
スポーツ少年団への加入率が約70%と非常に高い。
→ 学力テストの結果は、
「少人数授業」などの取り組みが実を結んだものと考えられ、
スポーツ少年団の加入率を関連づけるのは、やや強引かもしれない。
しかし適度な運動が、規則正しい生活リズムを生み、
学習への集中力を高めているだろうことは、
「早寝・早起き・朝ごはん率」が高いことからもいえそうである。
運動能力は年齢ではなく、経験により高められていく
→ スキャモンの発育発達曲線によると、
からだは、乳幼児期に急速に成長し、その後成長の速度はゆるやかになるが、
思春期以降に発育のスパートがみられ、
18歳あたりで、大人のレベルに到達する。
→ 一方、器用さやリズム感をになう神経系の発達は、
出生直後から急激に発達し、4〜5歳までには成人の80%程度、
小学校の低学年では、90%にも達するとされる。
→ 子どもたちの運動能力の低下は、
運動能力を獲得するために至適な年齢に、
必要とされる運動刺激を得る機会が減ったことが原因だ。
つまり、からだを上手にコントロールするための
トレーニングが不足しているのである。
→ 小学生の4人に3人は、缶けりをやったことがないという調査結果がある。
10人に1人は、缶けりそのものを知らないという。
かつて、友だちとの遊びのなかで、
意識せずとも養われていった運動能力は、
もはや、自然に身につくもの、ではなくなっている。
→ 歯磨きは、子どもがその意味を理解する前に、
習慣として身につけさせる。
運動も同じである。
→ 友だちとの遊びが減った今、
それに変わる「場」や「しかけ」が必要だ。
そう、この時期の運動は、大人がマネジメントするべきなのである。
「話す」ことが、体力向上の第一歩
→ 日本体育協会が定めているガイドラインでは、
最低限必要な身体活動量を「1日60分以上」としている。
→ 小学5年生を対象とした、平成21年度の調査では、
男子の10.5%、女子の22.6%が、1週間の運動時間が60分未満、
つまりほとんど運動していないと答えている。
→ ここで注目すべきは、
運動をほとんどしない子でも、決して運動がきらいなわけではなく、
男子で7割、女子でも半数ほどが、
運動を「もっとしたい」と答えていることだ。
→ 子どもが活動的になるかは、子どもを取り巻く人的環境、
すなわち友だちや保護者、
教師や地域の人々との関係で決まるとされる。
活動的な人たちに囲まれ、地域にそのような雰囲気があれば、
子どもは自然と活動的になっていくのである。
→ ある調査では、
親が子供と一緒にスポーツをやったり、観戦したりしなくても、
スポーツについて、「話す」だけで、
モチベーションアップにつながるという結果がでている。
→ スポーツ少年団への入団は難しい、という家庭でも、
昼間、友だちとどんな遊びをしたかに耳を傾け、
かつて自分がやった遊びについて話すだけでも、
子どもたちの体力向上に、多少なりともいい影響がありそうだ。
→ 立ち幅跳びをじょうずに跳べるようにするために、
まずは、親子で話す時間を増やすことからはじめたい。

最後のまとまりは、
団員の父兄向けには、“ スポ少寄り ” のものになっております。
親の負担の大きさを心配し、
スポーツ少年団への入団に、二の足を踏む父兄が多いわけですが、
ぼく自身は、親子ともども「得るもの」のほうが多いと思っています。
今年1年、父兄の代表として活動します。
バレーが好きな子どもを増やすことももちろんですが、
スポーツの種目を越え、仲間を増やしていけるといいなぁなんてことも思っています。